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カテゴリ: Column

PMUGツアーでのステージ上のランプの件、
ネットを探していたところ、これが一番わかりやすそうでした。

ステージ中央の白いボール状のものです。

2014/3/14のライブの写真のようです。
<リンク先URL:http://jackbaruth.com/?p=1280>

※ランプについての説明は、こちらをご覧ください
→<http://patweek.com/archives/15013027.html>

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今回のPMUG公演の見どころのひとつとして、Patと各メンバーがそれぞれデュオで演奏するパートがあったのですが、Pat MethenyとChris Potterによるデュオが特に素晴らしくて、個人的に強く印象に残っています。
 
演奏した曲は、私が観た東京2日めと3日めは、それぞれ「Tune up」と「All The Things You Are」でした。
二人は広い舞台の中央でお互いに近づき、重なりあうように肩を寄せ合うようにしながらテーマ演奏を始めていきました。イントロのようなものはなく、いきなり最初からふたりで高速でブッ飛ばすような感じでした。

二人でガリゴリと弾きまくり/吹きまくる中、フワリと漂うコード感と転調感。なんという心地良さ! 二人の美しいアドリブフレーズによってコードが浮かび上がり、それが滑らかにチェンジしていく様子が伝わってくるこの感覚は、これまでに体験したことのないものでした。あの演奏、録画でなくて録音だけで良いので、もう一度聴いてみたいなぁ〜。
 
ちなみに東京初日の曲は「Cherokee」だったようです。上記二曲とはまた違った雰囲気の曲だと思いますが、これまた盛り上がったんでしょうねー。
 
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「Tune up」については、東京2日めの演奏を思い出させてくれるようなChris Potterの演奏動画が、youtubeにアップされていました。この動画は、2011年のロンドンでのクリニックでの演奏のようです。湧き上がるアイディアが止まらない(?)10分超の超絶ソロ!
この時の演奏は、採譜されて多くのミュージシャンに共有されているようです。演奏と譜面を同期させた動画もアップされていました。譜面を見ながら聴くと、様々なバリエーションで曲を展開させている様子がよくわかり、さらに凄さが実感できます。

他にもyoutubeを探していくと、Chrisの演奏のTranscriptionとして「All The Things You Are」なども出てきたりするので、もしかしてこの一連の演奏が、今回のデュオ企画のヒントになったのかもしれないなぁ、などと思っています。

<Chris Potter clinic -- Tune-Up>
 


<Chris Potter's Tune-Up Transcription>


<Chris Potter's solo on "All The Things You Are">
こちらもスゴイ演奏です。特に中盤のキレっぷりといったら!

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PMUG来日公演、素晴らしかったですね! なんだかまだ興奮が収まりません…

ところで今回の公演でひとつ気になったのが、ステージに設置されていたバレーボール大の大きなランプでした。(※もしかすると昔から使っている装置なのかもしれませんが…)
設置されていたのは、ステージ中央のモニタースピーカー裏側。そしてステージ上手側にももう一つあったようです。特に中央のランプは客席からはほとんど見えなかったと思いますが、私はたまたま見える位置で鑑賞することができました。

このランプは、シーケンサーと同期させる曲の時に光るようになっていて、赤と青と白で光っていたと思います。ルールとしては、小節のあたまで「赤」が光るようになっていたようでした(赤・白・白・白・赤・白・白・白… と点灯する)。今回はかなり複雑な同期モノがあったので、変拍子やテンポチェンジをする時にガイドとなる光を出していたのではないかと思います(あくまでも私の想像。でも、もし舞台演出の一部なのであれば、客席からよく見える位置に置くと思うのですよね…)。

ランプの点滅を横目で見ながら鑑賞していたところ、「On Day One」は、曲中でかなりテンポが変わっていることがよくわかりました。テンポチェンジしながら拍子もグルグル変わるというあの変化についていくのは本当に大変そうなので、PMUGバンドといえども、ああいうガイドはあった方が良いのかもしれないなぁ、と思って見ていました。Antonio, Ben, Giulioの3名はイヤフォンをしていたので、クリック音などを聴いていたと思われますが、フロントのPatとChrisはイヤフォンをしていなかったので、視覚的にテンポなどをガイドしてもらっていたのではないかと想像しています。

ランプの光を見ていると、今何拍子なのかとか、その拍子やテンポがグルグルと変わっていく様子がよくわかりました。On Day Oneはテーマが譜面上11/4だったと思いますが、本当に11回毎に一回赤ランプがついていてちょっと感動しました。赤ランプがつくまでの間がとても長いので、これで役にたつのかな、などとも思いましたが、やはり小節のアタマがわかるのが重要なんでしょうね…

また、エンディングなど、シーケンサーの音が無くなってバンドが自由なテンポで演奏できるようになるところでは、赤いランプが点きっぱなしになるようでした。一方で、Are You Going With Meでは最後にリタルダントするのですが、けっこうラストギリギリまでシーケンサーの音が出ているであろうことがわかりました(ランプが最後までしっかりとリタルダントしてました(笑))

…あくまでも以上のことはすべて私の想像ですので、正しいことはよくわかりません。このランプについて何かご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。
それから、東京公演ではホール内の写真が一切NGだったためにこのランプなどの写真が撮れなかったのですが、もし撮った方などいらっしゃいましたら、教えていただけますとウレシイです。
よろしくお願いしますー。

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さていよいよ本日! Pat Metheny Unity Groupの来日公演が始まりますね!

2014年前半の活動を振り返ってみます。

2014年2月、Pat Metheny Unity Groupの「KIN(<-->)」がリリースされました。

Kin
Pat Metheny
Nonesuch
2014-02-04



このアルバムは、録音自体は2013年の6月に行われていたようです。
2013年は5月に日本公演があり、その後6月6日から12日までブラジル公演が行われていましたので、その直後にレコーディングがあったのだと思われます。Unity Bandはとても短い日程でレコーディングされたようなのですが、このUnity Groupは楽曲が複雑ということもあり、リハーサルも録音も編集もとても時間がかかったようです。
「『ユニティ・バンド』はリハーサル1日、録音2日、ミックス、終了というありがちなスケジュール。これまでそうやって作った作品は数多くある。(中略)今回のアルバムでは録音だけで2週間かかった。とにかく楽曲が複雑で、1曲めの「オン・デイ・ワン」などはスコアが34ページ(笑)。そんな巨大で複雑な楽曲だから、1日リハーサルをして、翌日録音というわけにはいかない。スタジオで曲を理解しながら、どう演奏すべきかを練りながら進めていく必要があった。録音後のエディットは2週間の録音の成果が形になる作業で、どう配置すれば意味を成すことができるかの模索だ」(ジャズライフ2014年3月号インタビュー)

今回は新たなメンバーとしてGiulio Carmassi (Piano, Trumpet, Trombone, French Horn, Cello, Vibes, …等々、たくさん!) が加入し、Unity Bandの音を基調にしながらも、上記のような過程を経て、Pat Metheny Groupのようなカラフルなサウンドを持つ「KIN<-->」が生み出されました。

 

Giulio Carmassiは、Will Leeからの紹介でPMUGに加入したようですが、Will Leeバンドで何回か来日もしており、ステージでそのマルチ奏者ぶりを発揮していました。

Giulio CarmassiはPat Metheny Groupに加入するのが夢だったのだそうです。加入前に一人で多重録音したPat Metheny Groupの「First Circle」がyoutubeにアップロードされていますが、おそらくこの動画が、加入につながる大きなきっかけになったのだと思います。




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2014年2月のアルバムリリースと同時に、2月初旬からこの「Pat Metheny Unity Group」のツアーが始まっています。米国やヨーロッパを中心に、8月までですでに118回(!)のステージをこなしています。

8月上旬から9月までのインターバルをあけて、10月5日の韓国公演を皮切りに、今度は日本、中国、オーストラリア、シンガポールなどを回っています。その後再び米国にもどって12月末までツアーは続き、今年はトータルで150回にも及ぶステージとなるようです。

さてさて、日本公演はどのようなステージになるでしょうか。楽しみですね!!
「パット・メセニー ユニティーグループ ワールドツアー2014」
10月7日(火)大阪 サンケイホールブリーゼ
10月8日(水)東京 すみだトリフォニーホール
10月9日(木)東京 すみだトリフォニーホール
10月10日(金)東京 すみだトリフォニーホール
10月11日(土)名古屋 名鉄ホール
10月12日(日)神戸 新神戸オリエンタル劇場
<セットリストについて>
今回も、各公演のセットリストをまとめてみたいと思っております。わかる範囲で構いませんので、コメント欄などで教えていただけると嬉しいです。ぜひよろしくお願いいたします! 
 
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PMUGの来日公演、いよいよ明日となりました!
台風の影響が無いことを祈ります…

1年前の2013年を振り返ります。

2013年は「Pat Metheny Unity Band」での来日公演のあった年でした。
2012年の2月にレコーディングされ、6月からヨーロッパ・アメリカを中心に70数カ所のツアーを回ってきたPat Metheny Unity Band。2013年は5月に日本、その後6月にはブラジルでのツアーを行いました。
<Pat Metheny Unity Band 来日公演>
2013/5/21(火)〜5/26(日) ブルーノート東京
このUnity Bandでの公演でも、ステージ奥には「ミニ・オーケストリオン」が設置され、後半はバンドとオーケストリオンの共演がありました。この公演では、オーケストリオンのコントローラーとして、Moogのギターが使われていたことも印象的でした。

6月にはブラジル公演も終わり、「Pat Metheny Unity Band」としてのツアーは一段落したようです。
その後の資料からすると、おそらくこの6月のツアー直後に「Pat Metheny Unity Group」のレコーディングが行われていたと思われます。

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2013年にリリースされた作品としては、John ZornのMASADA楽曲を演奏した「TAP」が衝撃的でした。
まずひとり自宅スタジオでギターを片っ端から手に取り、曲を基にインプロヴィゼーションすることから始めたんだ。このシリーズのジョンの楽曲は非常に短く、ある曲は数コードという場合もあるし、数音という曲さえある。その曲のエッセンスを抽出して、そこから曲を生んでいった。(ジャズライフ2013年7月号インタビュー)
このようにオーバー・ダビングを重ねて作っていったそうで、作品が仕上がるまでに1年近くかかったようです。
オーバーダビングは、数えられる範疇を大幅に超えていて、自分でもわからない。ギターはスタジオに置いてあるものは全て弾いたから、20種類は弾いているね。うまくいったものは残し、また曲の先に進んでいくという作業を繰り返した。(中略)期間は1年間くらいかな。でもツアーの合間、自宅にいられるときに限定的に行ったから合計時間となると定かではないけれど。(ジャズライフ2013年7月号インタビュー)
他作品では聴くことのできない独特の質感のアルバムですが、上記のような状況を知ると、ある意味ではPat Methenyらしさの詰まった作品ともいえるかもしれません。

【参考音源】
<Mastema / Pat Metheny - TAP>



この年にリリースされた作品をリストしておきます。

The Orchestrion Project
Pat Metheny
Nonesuch
2013-02-12


 
La Noche Mas Larga
Buika
Warner Music Latina
2013-05-30


 (↓ Pat Methenyはクレジットされていないのですが、1曲演奏しているようです。Unity Groupで新たに加入したGiulio Carmassiは、Will Leeバンドでそのマルチぶりを発揮していましたが、このアルバムでも彼の演奏を聴くことができます)


 
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