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カテゴリ: Column

Pat Methenyのアルバムジャケットに写っている電柱について少し調べましたので、まとめてみました。

この夏に自分がアメリカに行った時に撮った写真が「As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls」のジャケットに似ているかなと思い、加工をして遊んでいました。まぁまぁ似てきたけど、電柱の形がちょっと違うなぁ… などと思いながらfacebookにアップしたりしていたところ、

2017-08-20-13-29-26




「電柱には電力用と電話用がある」とのコメントをいただきました。

そうか、なるほど!

「As Falls Wichita〜」のジャケットには電話の受話器が写っていますが、このデザインはGlen Campbellの「Wichita Lineman」という歌がモチーフとなっているようです(Wichitaの電話線保守員?のちょっと切ない歌)。ですから、このジャケットに写っている電柱はきっと電話用のものなんだと思います。そして私の撮った写真の電柱はたぶん電力用なんでしょうね。

<ご参考:Wichita Linemanの曲と歌詞>

Wichita Lineman - Glen Campbell


Wichita Lineman / Glen Campbell

I am a lineman for the county
And I drive the main roads
Searchin' in the sun
For another overload

I hear you singin' in the wires
I can hear you through the whine
And the Wichita lineman
Is still on the line

I know I need a small vacation
But it don't look like rain
And if it snows that stretch down south
Will never stand the strain

And I need you more than want you
And I want you for all time
And the Wichita lineman
Is still on the line

And I need you more than want you
And I want you for all time
And the Wichita lineman
Is still on the line

=====

電柱が写っているジャケットは他にもあります。
ひとつは、John Scofield & Pat Methenyの「I Can See Your House From Here」。



こちらは、奥に見えるのは火力発電所でしょうか… だとすると、写っている電柱は電力用ということになるのかな、と思います。ただ、電柱に線がつながっていないようにも見えるので、そのあたりにも何かメッセージがあるのかもしれません。(引き続き調べてみたいと思います)
一見、「As Falls〜」と同じように見えながらも、電話と電力ではメッセージとしてはかなり違ってくるような気がします。

=====

そして「Travels」にも。


細かいんですが、いくつか並んでいる写真の一番右側の列、下から三段目の写真。ここにも、夕日をバックにした電柱の写真があります。これはツアーで回ったどこかの都市なんでしょうか。

=====

<番外編>「The Way Up」


これはもはや電柱ではないんですが、ちょっと並べてみました… これはどういうメッセージなんでしょうかね…

=====

<番外編2>ブート盤
「Epic - Live at the Bottom Line, NY 26 Sep 1978」

metheny


これは色合いからすると、先ほどの「Travels」にあった小さい写真がモチーフになっているんでしょうか?? こうしていろいろと調べてきた後に眺めると、これはかなりマニアックなファンが作ったものなんではないかなぁ、などと思ってしまいます。

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5月のPat Metheny来日公演の少し前(2016/2)に公開されていたPat Methenyのインタビュー記事です。

<EXCLUSIVE INTERVIEW 【PAT METHENY】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!>

この記事については、facebook上のpatweekでのみご紹介していて、こちらでご紹介するのを忘れてしまっていたようで、失礼しました。…が、公演後の今、あらためて読むとなんとも味わい深いです。

Q5: コラボレーションと言えば、あなたと Lyle のピアノはシーンでも屈指のコンビネーションを誇っていましたね。近い将来、彼とまた共演する可能性はありますか?
【Pat】: 
(前略)
気づいたんだけど、ファンのみんなは僕の音楽と初めて出会った頃に回帰して欲しいと思っているんじゃないかな。初期の PMG の人もいれば、Trio だったり、”Secret Story” かも知れないね。どのバージョンの僕を聴きたいかで、その人の年齢を度々当てて来たくらいさ。実際、素晴らしいことだし、本当に感謝しているよ。もし僕がそうしたいと思ったら、”Bright Size Life” の頃に戻って全曲演奏することだって可能だよ(時々はしているしね)。だけど、あの頃と全く同じようにはならないよ。まあこういったことはもう受け入れているんだけどね。付け加えると、もし僕がずーっと同じような音楽をやり続けたとしたら、それはそれで何か違ったことをやれって言われるのは確かだね。
だから僕は早い時期にこう決めたんだ。「それが何であれ、ただ時間と自分の全てをかけられると強く感じることをやることが僕にとってベストなんだ。」ってね。そして常にそうして来たんだよ。
ただ、まあ、そうは言っても僕のバンドのどの時期のどのメンバーとプレイするのも楽しめると思うよ。結局全ては繋がっていて、全部誇りに思っているんだ。素晴らしいミュージシャンたちが加わって来てくれたからこそなんだからね。


その他、新しいバンドのメンバーについて、コンセプトについて、David Bowieについて… いろいろなテーマに関するとても読み応えのあるインタビューとなっています。
 
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今回(2016年5月)の来日公演では、一曲目のPikassoギターからSo May It Secretly Beginへと続くところについて、「ベースとギターの音程に違和感があった」というコメントをいただいていましたので、少し注意深く聴いていました。

私が聴いた感じでは、「So May It〜」のイントロのベースラインは、テーマに入る直前に全音下がって、曲全体が二度下に転調していたようでした。私は相対音感しかないので音程はわからなかったのですが、「『So May It〜』はCmなので、おそらくDm→Cmと下がったのだろうな…」と思っていました。ホールではベース音が響いてクリアに聴こえないこともあると思いますので、コメントで上がっていた違和感というのはこのあたりのことではないでしょうか。(後で絶対音感のある方に確認したところ、「Dm→Cmと下がった」とのことでした)

「So May It〜」のイントロのベースが原曲の一音上からスタートしたのは、おそらくPikassoでラストに鳴らすコードとずれないようにする必要があったからではないかと思います。ということは、今回のPikassoのチューニングはDm系だったのだろうと思います。(これも絶対音感のある方に後で確認したところ、今回はDmだったそうです)

これまでの作品やライブをあらためて振り返ってみると、この「(Pikassoギター)→「So May It〜」のような曲に続く、というパターンがけっこうあることに気づきましたので、ちょっとまとめておこうと思います。

ひとまず、今回のライブのパターンを、
a.<(Pikassoギター)→「So May It Secretly Begin」(Dm → Cm 型)(2016年)>
と呼ぶことにして、続けてみます。


b.<「(Pikassoギター)→「A Story Within The Story」(Cm → Cm 型)(1997年頃)>
Pikassoギターが初めて大きくフィーチャリングされたアルバム「Imaginary Day(1997年発売)」では、「Into The Dream(Pikassoギター)」→「A Story Within The Story(ベースラインが「So May It〜」と似ている)」の流れが、今回の公演のオープニングの二曲の構成ととてもよく似ています。曲はそれぞれ独立していますが、アルバム上では続けて演奏されるようになっています。「Into〜」と「A Story〜」二曲のキーはどちらもCmです。
確か「A Story Within The Story」は「So May It〜」の続編のような位置づけで作られた曲だったと記憶しています。

Imaginary Day
Pat Metheny Group
Warner Bros / Wea
1997-10-03

 

c.<(Pikassoギター)→「So May It Secretly Begin」(Cm → Cm 型)(2008年頃)>
Pikassoギターから「So May It〜」に繋がる演奏は、2008年頃のChristian McBride(b)との演奏などでも観られますが、そこでは「So May It〜」には転調せずに入っています。この頃のPikassoギターのチューニングはCmだったようで、そのまま自然な形で続けて演奏されています。

【Christian McBride(b)との演奏】


d.<★(Pikassoギター)→「When We Were Free」(Cm → Em 型)(2008年頃)>
アルバム「Day Trip」では、Pikassoギターから続けて「When We Were Free」のベースラインへと続くパターンが収録されています。よくよく聴いてみると、この「When We〜」のベースラインも「So May It〜」とちょっと似ています。Pikassoギターのキーは「Cm」で、「When We〜」のキーはなんと「Em」。そのため、今回のライブのイントロのように、ベースラインをCmで始めて、テーマに入るところでゴリッと長三度上に転調しています。

Day Trip
Pat Metheny
Nonesuch
2008-01-29

 

【Day Tripでの演奏】(最初のPikassoギターの演奏がなぜかカットされてしまっていますが、ベースのCm→Emの流れは残っています)


e.<★(Pikassoギター)→「Come And See」(Dbm → Dbm 型)(2012年頃)>
アルバム「Unity Band」に入っている「Come And See」も、ベースラインが「So May It〜」に似ています。この曲もアルバムではわざわざPikassoギターに続けて演奏されているというのが興味深いですね。このPikassoギターの音からこういったベースラインが始まるような流れが、Patは好きなんでしょうか。
ちなみに、ここでPikassoギターのチューニングは半音上がってDbmとなっています。これは… なぜでしょうか? 「Come And See」のキーもDbm。このベースラインと同じラインを吹いているバスクラリネットとの関係なんでしょうか… あまり合うキーでもないような気もしますが… 

ユニティ・バンド
パット・メセニー(g)
ワーナーミュージック・ジャパン
2012-07-11

 

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以上、「(Pikassoギター)から「So May It Secretly Begin」のようなベースラインが続けて演奏されるパターン」をまとめてみました。

あとは1998年の「Imaginary Day」公演のオープニングで、同じようにPikassoギターから「Have You Heard」に続く展開があったと記憶しています。これはベースラインは似ていないのですが、「Have You Heard」はCmなので、これも「Cm→Cm」パターンと言えそうです。

<Imaginary Day Tourでの演奏>
 

このように、1997年から、Pikassoギターでの演奏に続く形で演奏される曲がいくつかあって、それはそれぞれ「So May It Secretly Begin」とベースラインが似ていることが多いようです。続ける際には、同じキーのまま「Cm→Cm」となることが多かったようですが、2008年頃の「d.」のように「Cm→Em」と転調して続くパターンが出てきて、2012年には「e.」のようにPikassoギターのキーも「Dbm」に変わるまでになったようです。
 
そして今回の2016年のツアーでは、Pikassoギターのキーは「Dm」とUnity Groupの頃からさらに半音あがり、続く次の曲が「Cm」に転調するというパターンも出てきたということになるようです。(「d.」と「e.」の融合パターン?)
今後ももしかすると、このバリエーションでの演奏があるのかもしれませんね。楽しみです。 

…と、ここまで来てよくよく考えてみると、今回、PikassoギターをわざわざDmにする必要はなかったような気がしますね… なぜDmにしたんでしょうかね…?
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7/22(水)の「Blue Note Jazz Festival Pre Event Vol.1」は、とても楽しいひとときでした! 少し時間が経ってしまいましたが、かかった曲を中心に、当日の様子などを振り返っておきます。 

当日の第一部、小倉智昭さんのトーク・イベントの様子は、こちらに詳細なレポートが載っていますのでご覧ください。
 

<小倉智昭さんの選曲>
当日、小倉さんが選ばれた曲は、次の5曲でした。
 
1.And I Love Her / 「What's It All About」収録
2.Last Train Home / 「Still Life (talking)」収録
3.The First Circle (Live) / 「Last Train Home」収録
4.Letter From Home (Live) / 「The Road to You」収録
5.Third Wind (Live) / 「The Road to You」収録
 
小倉さんの選曲はとても考えぬかれた内容で、同じ曲でも「スタジオ録音か/ライブ録音か」というところまでこだわられていらっしゃるところがまた凄い! 有名曲をとりあげつつ、ライブ音源ならではのエピソード紹介などもあり、「普段ジャズにあまり馴染みの無い方」から「Pat Methenyマニア」まで楽しめる幅広い内容とわかりやすい語り口で、もうサスガ!のひと言。最高のトーク・イベントでした!
<ご参考>
・トーク・イベントのオープニング曲
→Facing West / 「Secret Story」収録
・小倉智昭さん登場時のBGM
→Have You Heard / 「Letter From Home」収録
・トーク・イベントのエンディング曲
→Better Days Ahead / 「Letter From Home」収録


第二部の私のDJタイムは、記憶を辿ると次のような感じだったかなと思います。もしかすると曲順などは違うところがあるかもしれませんが、ご参考までにリスト化しておきます。
曲名 / アルバム名(アーティスト名)
1.Yolanda, You Learn / First Circle (PMG)
2.Minuano / Still Life (PMG)
3.James / Offramp (PMG)
4.いいこ いいこ(GOOD GIRL)/ Love Life (矢野顕子)
5.Opening / The Way Up (PMG)
6.Finding And Believing / Secret Story (PM)
7.Are You Going With Me / Offramp (PMG)(*)
8.The Chief / Reunion (Gary Burton)
9.In FranceThey Kiss On Main Street / Shadows & Light (Joni Mitchell)
10.Union Pacific / Sound Of Summer Running (Marc Johnson)
11.As A Flower Blossoms / Secret story (PM)(*)
12.The Awakening / Imaginary Day / (PMG)
13.Noche De Ronda / Nocturne (Charlie Haden)
14.Wherever You Go / Speaking Of Now (PMG)
15.Jack In / Parallel Realities (Jack DeJohnette)
16.Gambia / Wilderness (Tony Williams)
17.Language Of Time / Quartet (PMG)
18.Lone Jack / Pat Metheny Group (PMG)
19.Straight On Red / Travels (PMG)
20.We Go On / Kin (PMG)

(*)はリクエスト曲

最初の数曲は準備していたのですが、途中、お客様からのリクエストにお応えしているうちに、だんだんその場での選曲が増えていきました。「その場に合う曲」というのは、事前に選んだ曲とは微妙に違うものなのだなぁと、そんな感覚も少しわかったような気がしました。

この日は、「有名曲を中心で行くか」「マニアックな曲もかけるか」、とても迷いながら始めたのですが、ブース近くにいらした濃いPMファンの方々からも勇気をいただき(いろいろと声をかけてくださいました)、思い切って何も気にせず好きな曲をかけつづけました。結果として、リーダーアルバム以外の曲も多めとなりマニアックになったかもしれませんが、個人的にも本当に楽しい時間を過ごすことができました。
ご来場くださった皆さま、またお声がけくださった皆さま、どうもありがとうございました! 



 
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PMG-MLで話題になっていた、Sachal Studios' Orchestraの「To The End Of The World」です。タブラとシタールがなんとも言えないイイ味を出していますね〜。

(To The End of The World / Sachal Studios' Orchestra)



<情報源:PMG-ML2 Thanks, Marc!>


(To The End of The World / Pat Metheny Group)



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