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2014年09月

来日公演まであと12日〜!

2002年は、待ちに待った(←当時)PMGのアルバム「Speaking of Now」の発売された年でした。1997年の「Imaginary Day」の発表から、5年が過ぎようとしている頃でした。

パットは2002年のインタビューで、PMGのアルバムについて、各アルバム制作時に重視したテーマや、リリース時期によって「3部作」のような流れができていることなどについてコメントをしています。

『』内は重視したテーマ)

<(3部作タイトルは特に無し)>
・Pat Metheny Group (1978)
・American Garage (1980)
・Offramp (1982) →『エレクトロニクスの導入、シンクラヴィア。広範囲に渡る色彩を持ったサウンド』

音楽的リサーチのための3部作
・First Circle (1984)
・Still Life (talking) (1987)
・Letter From Home (1989)
→ファンの間では、この3枚は「ブラジル3部作」とよく呼ばれますが、本人はこの呼称は嫌いなようです。
「一体どこのブラジリアン・ミュージックのことを行っているんだ? と反発する気持ちを覚える(ジャズライフ2002年4月号)」

<それぞれに特定のテーマを設けた3枚>
・We Live Here (1995) →『ループの使用。標準的、ありきたりなビートを用いた上での表現』
・Quartet (1996) →『アコースティック楽器だけで他のアルバムのような色彩を表現』
・Imaginary Day (1997) →『グループと音楽的フォームの相関関係、基本的な前提に挑戦』


上記のような流れの中で、「Speaking of Now」は、次のようなテーマで創られてきたようです。
『Speaking of Nowはメロディに重きをおいたアルバム。人の頭と心の中に長い間刻み込まれるような根源的なメロディを奏でたかった(ジャズライフ2002年4月号)』

「Speaking of Now」には、カメルーン出身のリチャード・ボナとベトナム出身のクォン・ヴーが参加。とても国際色豊かなバンドとなりました。リチャード・ボナの担当は、なんとベースではなくてヴォーカルとパーカッション。クォン・ヴーの担当はトランペットとヴォーカル。
メロディアスな曲の中で、パットやライル、そしてクォン・ヴーが伸びやかにソロを歌いあげます。「Another Life」「You」「On Her Way」「Afternoon」といったヴォーカル曲におけるリチャード・ボナの存在感が、これまた圧倒的です。

「Speaking of Now」は2002年2月にリリースされ、その後ワールド・ツアーが行われました。来日公演は9月でした。
<ご参考>
・2002/9/18(水) 名古屋・愛知県厚生年金会館
・2002/9/19(木)、20(金) 東京・NHKホール
・2002/9/21(土) 大阪・厚生年金会館大ホール

【2002年にリリースされたアルバム】

Speaking of Now
Pat Metheny Group
Warner Bros / Wea
2002-02-14

 
Upojenie
Pat Metheny
Nonesuch
2008-10-07


Pieta
Milton Nascimento
Warner Spec. Mkt. UK
2008-01-13

 

【参考音源】
<Another Life / Speaking of Now収録 ヴォーカルにも注目>


<Wherever you go / Speaking of Nowより>
 

<Are You Going With Me? / Upojenie収録>

 
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来日公演まであと13日〜!

13年前の2001年は、PMGのニューアルバム(2002年リリースの「Speaking Of Now」)の制作に注力していた時期と思われます。

この2001年には、Pat Methenyがゲスト参加しているCharlie HadenやMichael Breckerのアルバムがリリースされていますが、これらのレコーディング自体は2000年12月だったようです。PMGのニューアルバム制作準備は2001年12月に始まったようですので、この準備に入る直前だったのではないでしょうか。
同じくゲスト参加しているMike Metheny, Richard Bonaのアルバムも、2001年にリリースされていますが、レコーディング時期はCDには記載されておらず不明です。(Richard Bonaはその後、PMGの2002年作「Speaking Of Now」に参加)


Nocturne
Charlie Haden
Umvd Labels
2001-05-08


Nearness of You-the Ballad Boo
Michael Brecker
Umvd Labels
2001-06-19

 
Close Enough for Love
Mike Metheny
3 Valve Music
2005-06-02


Reverence
Richard Bona
Columbia Europe
2001-09-11

 
 
【参考音源】
<Noche de Ronda / Nocturneに収録>


<Nascente / Nearness of You-the Ballad Bookに収録> 
 
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来日公演まであと14日〜!
 
14年前の2000年頃と言いますと、「99 -> 00」「Trio -> Live」というトリオアルバムがリリースされた時期でした。

Trio 99-00
Pat Metheny
Warner Bros / Wea
2000-02-07


トリオ→ライブ
パット・メセニー
ワーナーミュージック・ジャパン
2000-12-13



1998年の夏頃から、Larry Grenadier (bass)とBill Stewart (drums)とのトリオによるライブが始まりました。
このトリオ、当初は3〜4週間程度のギグをやって終わらせる予定だったそうですが、当初の想定より良い手応えがあったようです。1999年の夏には、まずこのトリオによるスタジオアルバム「99->00」がレコーディングされ(6週間のツアーの後、急遽レコーディングすることが決まったとのこと)、その後にはヨーロッパ、日本、全米でのツアーの様子を収めた、2枚組の「Trio -> Live」というアルバムまで作られるというとても重要な活動となっていったのでした。
<ご参考>
来日ツアーは1999年12月でした。
・1999/12/6〜1999/12/11 ブルーノート大阪
・1999/12/13〜1999/12/19 ブルーノート東京
<余談1> 
「99->00」には超スローな「Giant Steps」が収録されていますが、Larryのインタビューによると、3人はこの曲をこのレコーディングで初めて合わせたそうです。そして、アルバムに収録されているのはテイク1、つまり最初に合わせた演奏なんだそうです。いやスゴイ!
 
<余談2>
Pat Methenyは「Bright Size Life (1976)」という、ギター・トリオ・フォーマットによるアルバムで音楽キャリアをスタートさせたこともあり、この「ギター・トリオ」というスタイルには特別な思い入れがあるようです。このアルバム「Trio -> Live」でオープニング曲を「Bright Size Life」として、またラスト曲を新曲としたというのも、自分の音楽人生の縮図をそこに描こうとした結果だとのことです。

<余談3>
「99->00」というアルバムは、当初は「2BE3」というタイトルになる予定でした。(2B3という説もあり。数字とアルファベットによる記号的な意味合いと、”To Be Three”とのダブルミーニングになっているとのことだった)。ところが、すでに他のバンド(確かフランスのバンド)のバンド名やアルバムタイトルとして使われているということが後日判明して、「99->00」に変更となったようです。

そして、2000年の夏にはMichael Breckerとのスペシャルカルテットでの活動があり、その後2000年の年末ころから、PMGの次のアルバムの製作準備が始まったのでした。

【参考音源】
<Question and Answer / Pat Metheny, Larry Grenadier, Bill Stewart>
  


<Extradition / Michael Brecker, Pat Metheny Special Quartet>

Michael Brecker, Pat Metheny, Larry Goldings, Bill Stewartによるスペシャルカルテット。おそらく2000年の夏頃のライブと思われます。パットのソロ中のマイケルの温かい眼差しがたまりません。 

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来日公演まであと15日〜!
15年前から最近までの活動を、少しずつ確認していきたいと思います。今日は1999年の活動について。

15年前というと1999年ですが、この頃は、Pat Methenyはそれまでの活動スタイルを少し変えていた時期のように思います。

<Pat Metheny Groupのアルバム(1995年〜2002年)>
1995年 We Live Here(Geffen
1996年 Quartet(Geffen
1997年 Imaginary Day (Warner Bros.)

2002年 Speaking Of Now(Warner Bros.)

1997年にWarner Bros.に移り、PMGとして「Imaginary Day」をリリースしましたが、その次のPMGのアルバムリリースは2002年を待つことになります。
1998年以降のしばらくの間は、ソロまたはサイドマンとしての活動が活発な時期でした。

特に1998年〜1999年の2年間はサイドマンとしての活動が活発でした。
1999年にリリースされたアルバムは次のとおりですが、これを見るとその時の様子が少しわかるのではないかと思います。もしかすると、様々なアーティストと共演をしながら演奏やサウンドのアイディアを膨らませていた時期、と言えるのかもしれません。

<1999年にリリースされたPat Metheny参加アルバム>

Jim Hall & Pat Metheny
Jim Hall
Telarc
1999-04-27


ア・マップ・オブ・ザ・ワールド/サウンドトラック
パット・メセニー
ワーナーミュージック・ジャパン



トラヴェリング・マイルス
カサンドラ・ウィルソン
EMIミュージック・ジャパン
1999-03-03


Simply Said
Kenny Garrett
Warner Bros / Wea
1999-06-17


Dreams
Philip Bailey
Heads Up
1999-06-22


Time Is of the Essence
Brecker Brothers
Polygram Records
1999-11-02


<参考音源>
<A map of the world -> In her family>
「A map of the world」の参考音源として、Speaking of NowのライブDVDからの映像です。

1999年当時の話という観点から離れてしまいますが、ここで演奏されている「A Map Of The World」のキーが、原曲より半音低い(ソプラノ・ギターのチューニングが半音低い)のがどうも気になってしまいます。「A Map Of The World」はもともとはキーがGで少し明るい音なのですが、キーが半音低いからでしょうか、少ししっとりとした雰囲気になっているような気がしますが、いかがでしょうか…。

メドレーで演奏される次の「In Her Family」は原曲通りなので、そちらの演奏を重視したのかもしれません。ただ、「In Her Family」で特に開放弦を使っているようには見えないので、演奏面の都合でチューニングを半音下げる必要は無いように思います。ということでおそらく、2つの曲のサウンド上のつながりの事情から「A map of the world」のキーを下げることになって、このチューニングになったのではないかと思います。ちなみにオリジナルの「In Her Family」でもソプラノ・ギターを弾いているようですが、この時のチューニングは通常のギターの1オクターブ上だったようです。


<Pat Metheny & Jim Hall - The Great Guitars>
Jim Hall & Pat Methenyの参考音源としてこちらの動画を。
アルバムではデュオでしたが、こちらはカルテット演奏です。巨匠Jim Hallとの共演、素晴らしい〜! もうこの共演が観られないなんて、本当に残念です。
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Pat Metheny Unity Groupの来日公演まで、いよいよあと2週間あまりとなりましたね!

Pat Metheny Groupの定番曲を聴きながら、公演日までカウントダウンしていきたいと思います!

Pat Metheny Unity Group来日公演まで、あと16日!


< Are You Going With Me? > (From The Album “Offramp” (1982))

(↓オリジナル)


(↓1992年のライブ・アンダー・ザ・スカイでの演奏)


(↓1988年のライブ。皆若い!)


(↓Anna Maria Jopekとの共演。後半はPMGとはまた違うアツさがありますね〜)

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